誰でも「計画を行動に移せない」を解決できるようになる方法

「計画を立てても、いざ行動に移せない」という悩み、共感できる方も多いのではないでしょうか。
しっかり準備をしているはずなのに、いざ実行に移すと気持ちが萎えたり、行動が後回しになってしまったり…
そのままにしておきたくはないけれど、何度も同じ壁にぶつかってしまう……。実は、この悩みには複数のタイプがあり、それぞれの原因に合った対処法が存在します。
そして、これらのタイプに応じた適切な方法を知ることで、誰でも行動に移せるようになるのです。
僕は、日々多くの人をコーチングしているストレングスコーチとして、この悩みを持つクライアントをサポートしています。
計画を立てることに強みを持つ人、未来に向けて理想を描く人、柔軟に物事に対応できる人、それぞれに応じた解決策があります。
このコラムでは、そうしたタイプ別に、具体的な行動に移すためのアドバイスを解説していきます。あなたの強みを活かし、計画から実行への一歩を踏み出すためのヒントをお伝えします。
このコラムを読むことで、あなたが得られるのは単なる「知識」ではなく、行動に直結する実践的な解決策です。もし、これまで何度も計画を立てては動けずに悩んでいたなら、それを根本から変えることができます。
- 自分の行動を阻む原因を特定し、対策ができる
自分の中に隠れていた「動けない原因」が何かをはっきりさせ、明日からすぐに実行できる方法を手に入れられます。 - 自分の強みを活かして、無理なく行動に移せる
計画を立てることが得意な人も、柔軟性が高すぎる人も、どちらにとっても有効なアプローチがわかります。自分に合った方法で無理なく、しかも確実に実行できる方法が見つかります。 - 計画倒れを繰り返さない、実行力が身につく
これまで計画倒れになりがちだった人でも、このアドバイスを読むことで一歩を踏み出すためのコツがつかめます。結果的に、行動に移すことが苦ではなくなり、持続的に成果を上げられるようになります。
「それだったらやってみたい!」と強く思える、あなたの行動を変えるための第一歩を、このコラムでぜひ体験してください。
この内容は動画でも解説しています。
計画を立てても、行動に移せない人の7つのパターン
複数の資質をいくつかのパターンにまとめると、次のように整理できます。それぞれのパターンが抱える共通の特徴を基に、計画を立てても実行に移せない理由を分類しました。
1. 柔軟すぎて計画がブレるパターン
このタイプの人は、柔軟性や適応力が強すぎて、一貫した行動が取りにくい状況です。また、そもそも計画を立てることが逆にやる気を失わせる人も含まれます。
- 該当資質: 適応性、個別化、コミュニケーション
- 具体的な状態:
- 柔軟に対応しすぎて、計画が次々と変更され、実行のタイミングを失う。
- 自由に行動することを好み、計画を立てるとその拘束感から逆にモチベーションを失う。
- 他者のニーズに応えすぎて、自分の計画を優先できない。
2. 計画の複雑化・最適化にこだわるパターン
このタイプの人は、完璧な計画や最適な方法を求めるあまり、行動が遅れることが特徴です。
- 該当資質: 戦略性、最上志向、分析思考
- 具体的な状態:
- 完璧な戦略を探し続け、決断できない。
- 最適な結果を求めすぎて、少しでも不安要素があると実行に移れない。
- 全てのデータを揃えてからでないと動きたくない。
3. 未来や結果に意識が向きすぎるパターン
このタイプの人は、未来の理想像や結果ばかりを気にして、目の前の行動に集中できない状況です。
- 該当資質: 未来志向、内省、成長促進
- 具体的な状態:
- 遠くの未来を見すぎて、今やるべきことにエネルギーを注げない。
- 考えることに時間を費やしすぎ、行動のタイミングを逃す。
- 他者の成長を助けたいと考えすぎて、自分の計画が進まない。
4. リスクや責任を過度に気にするパターン
このタイプの人は、リスクや責任に対する不安から行動を起こせないことが多いです。
- 該当資質: 慎重さ、責任感、回復志向
- 具体的な状態:
- リスクを避けるために、準備が完全に整うまで動けない。
- 責任感が強すぎて、失敗が許されないと感じ、行動を躊躇する。
- 問題を解決しようとするあまり、行動の前に全ての障害を取り除こうとする。
5. 他者との調和や影響を気にしすぎるパターン
このタイプの人は、他者の反応や意見を気にしすぎて自分の行動を進められない状況です。
- 該当資質: 共感性、調和性、包含
- 具体的な状態:
- 他人の感情や意見を気にしすぎて、自分の計画に集中できない。
- 対立や不調和を避けるため、全員の同意を得ようとして行動が遅れる。
- 全ての人を巻き込もうとして、計画が進まない。
6. 柔軟すぎて計画がブレるパターン
このタイプの人は、柔軟性や適応力が強すぎて、一貫した行動が取りにくい状況です。
- 該当資質: 適応性、個別化、コミュニケーション
- 具体的な状態:
- 柔軟に対応しすぎて、計画が次々と変更され、実行のタイミングを失う。
- 他者のニーズに応えすぎて、自分の計画を優先できない。
- 計画を話すことで満足し、実行が後回しになる。
7. 自信や確信が足りないパターン
このタイプの人は、確信を得るまで行動できない、または自信が不足して行動を避ける傾向があります。
- 該当資質: 自我、成長促進、責任感
- 具体的な状態:
- 完全に自信が持てる状況でないと、行動に踏み切れない。
- 自分の行動に対して過度な責任を感じ、行動を控える。
このように、資質ごとに「計画を立てても実行に移せない」理由をいくつかのパターンにまとめることで、特定の状況に応じた対策を考えやすくなります。それぞれのパターンに応じた対処法を考えることで、資質を活かしつつ行動に移ることが可能になります。
行動に移せない人が、動けるようになる具体的な方法
行動に移すためのパターンには、大きく分けて2つの方法があります。
これを理解することで、自分に合ったやり方でスムーズに動けるようになります。
- クオリティではなくリズムを重視する
- 自分の特徴を利用する
それぞれについて具体的に解説します。
行動できるパターン①:リズムを大切にする
まず、誰にでも共通して効果があるのが、「(クオリティではなく)リズムを重視するようにする」ことです。
クオリティや結果を一旦、完全に忘れて、とにかく「リズムよく動く」ことにフォーカスするテクニックです。
これはコーチングの現場でも、かなり多くの人にヒットすると感じるやり方です。
具体的には、下記の3つをやってみると、かなり変わるはずです。
1. 今すぐ10分でできるサイズに分解する
タスクを10分以内に完了できるくらいの小さな行動に分解しましょう。
どんなに忙しくても、ほとんどの人は「今から10分だけ」であれば、動くことができます。
実際に10分でできることは、「ちょっとした調べ物」や「ちょっと触ってみる」など、かなり限られますが、それでもかなり効果があります。
これを繰り返すことで、リズムが生まれ、自然と行動が継続できるようになります。
具体例1
「部屋を片付ける」というタスクが大きく感じる場合、部屋全体ではなく、「机の上の書類を5分間だけ片付ける」という小さなステップに分解します。5分だけならすぐに始められるし、片付けを始めると他の部分も手を付けたくなることがよくあります。
別の具体例2
仕事でメール返信が溜まっている場合、「すべてのメールを返信する」という大きな目標を設定せずに、まずは「1通だけ返信する」ことを目標にします。
1通返信できれば、次のメールにも取りかかりやすくなるでしょう。
2. ハードルをものすごく下げる
最初のステップは、動くためのハードルを極限まで低くすることです。多くの人が「完璧にやり遂げよう」と思いすぎるあまり、行動を起こせなくなります。
そのため、まずは「完璧じゃなくていい。ちょっとやるだけでもOK」というマインドセットを持つことが重要です。
具体例1
たとえば、「ブログ記事を1本書かなきゃ」と考えると、時間や労力がかかるので行動に移しにくいです。
そこで、「まずはタイトルを決めるだけ」とか、「最初の1文だけ書いてみよう」といったように、ハードルをぐっと下げます。小さな行動を始めることで、気づけば残りの部分も進められるかもしれません。
具体例2
日常的に運動を取り入れたいと思っている場合、いきなり1時間のトレーニングを目指すのではなく、最初は「靴を履いて外に出るだけ」でもOK。
ハードルが低いと、行動を起こすきっかけが生まれやすくなります。
3. 誰かに話してみる
一人で抱え込むのではなく、計画や思いついたアイデアを誰かに話してみましょう。話すことで自分の考えが整理され、行動へのモチベーションが高まります。
また、相手からのフィードバックを受けることで、新しい視点が生まれることもあります。
この3つのアプローチは、誰にでも共通して効果的な方法です。大切なのは、完璧さを求めるのではなく、行動のリズムを作り出すこと。それができるようになると、行動を起こすハードルがぐっと下がり、次第に継続する力が身についてきます。
具体例1
新しいプロジェクトを始めるのに悩んでいる場合、まずは信頼できる同僚や友人にアイデアを話してみます。たとえば、「今こんなことを考えてるんだけど、どう思う?」と気軽に共有します。相手の反応を見ることで、自分の中で具体的な行動がクリアになることもあります。
別の具体例2
仕事の進め方に行き詰まりを感じたとき、上司やメンターに相談して「今こんなことで悩んでいます」と話してみます。
話すことで自分の考えが整理され、アドバイスや新しい視点を得られることがあります。自分一人で抱え込まず、他者の力を借りることで行動に移りやすくなります。
行動できるパターン②:自分の特徴を利用する
計画を立てても動けない理由は人それぞれ異なります。
自分にとって最適な方法を見つけるためには、まず自分の強みや性格に合ったアプローチを理解することが大切です。
誰にでも有効な万能な方法はないからこそ、資質に応じた対策を取ることで、無理なく一歩を踏み出せるようになります。
ここでは、特に共感する人が多い5つのタイプに絞って、それぞれに合った具体的なアプローチを解説します。
あなたが抱えている行動の悩みに当てはまるパターンがあれば、それに応じた方法を試してみてください。動けない原因を理解し、資質に合った方法で前進するためのヒントが見つかるはずです。
1. 計画を立てるだけで満足してしまう人へのアプローチ
- 該当資質: 戦略性、未来志向
このタイプの人は、計画を立てることに満足し、行動に移すことが難しくなりがちです。特に、未来のビジョンや戦略を描くことが得意な「戦略性」や「未来志向」を持つ人にとって、詳細な計画を練ることが目標達成の第一歩だと感じやすいですが、その計画が実行されないことも多いです。
対策:
このタイプには、**「今日やるべき一歩を決める」**というアプローチが効果的です。大きなビジョンはそのままにしておき、目の前の具体的な行動にフォーカスします。例えば、1日の最初に「これだけはやる」と決めて、その小さなタスクをクリアすることを目標にすると、未来のビジョンに向けて確実に前進できます。
2. リスクを避けすぎて行動できない人へのアプローチ
- 該当資質: 慎重さ、責任感
このタイプの人は、失敗やリスクを避けるため、行動に移すことに慎重すぎることがあります。特に、リスク管理が得意な「慎重さ」や、責任感を強く持つ人にとって、完璧な準備が整わない限り動くことが難しい状況です。
対策:
このタイプには、**「小さなリスクを取る練習」**が有効です。完璧を求めるのではなく、まずは小さな一歩を踏み出してみることがポイントです。例えば、完璧な計画でなくても、1つの行動を試し、それが結果にどうつながるかを観察することで、次のステップに自信を持てるようになります。
3. 完璧を目指しすぎて動けなくなる人へのアプローチ
- 該当資質: 最上志向、分析思考
このタイプの人は、最初から完璧を目指しすぎるあまり、行動に移れないことが多いです。特に、常に最高の結果を求める「最上志向」や、深く考え抜く「分析思考」を持つ人は、行動に移す前に準備や考察に時間をかけすぎる傾向があります。
対策:
このタイプには、**「80%でOKというマインドセット」**が効果的です。完璧を求めずに、まずは80%の完成度で行動を開始することが重要です。例えば、「やってみてから改善できる」と思うことで、行動に対する心理的ハードルが下がり、動き出すことができます。
4. 計画を立てるとやる気がなくなる人へのアプローチ
- 該当資質: 適応性、活発性、着想
このタイプの人は、計画を立てることで逆にやる気を失ってしまうことがよくあります。特に、柔軟にその場の状況に対応することが得意な「適応性」や、新しいアイデアをどんどん思いつく「着想」、そして行動に移すことに価値を感じる「活発性」を持つ人にとっては、細かい計画が逆に制約となり、行動を妨げます。
対策:
このタイプには、**「あえて計画を立てすぎない」**というアプローチが有効です。例えば、「次に何をするか」だけを決めて、詳細な計画はその場で考えながら進める方法が適しています。柔軟性を活かし、その時々の状況やインスピレーションに応じて進めていくことで、自由さを感じながら行動できます。
また、アイデアを活かすためには、まず最初の一歩を踏み出すことに集中するのがポイントです。計画に時間をかけるのではなく、**「やってみてから考える」**という考え方を取り入れることで、行動力が引き出されます。
5. 人の意見に左右されすぎて決断できない人へのアプローチ
- 該当資質: 共感性、適応性
このタイプの人は、周りの人の意見に敏感で、他者のニーズに応えすぎるあまり、自分の計画や行動を後回しにしてしまうことがよくあります。特に、他人の感情に共感しやすい「共感性」や、全員を巻き込もうとする「適応性」の資質を持つ人は、自分の意志を優先しにくい傾向があります。
対策:
このタイプには、**「意見を肯定してくれたり、後押ししてくれる人と対話する」** ことが有効です。他者の意見によって自分の意思や気持ちが変化することを、逆に利用すると行動しやすくなる傾向があります。
まずは、自分の行動を優先する習慣を作り、それによって他人にも良い影響があることを意識しましょう。
まとめ: 無理なく行動できる方法を見つけよう!
「計画を立てても、行動に移せない」という悩みは、誰にでも共感できるものです。準備を進めているはずなのに、なぜか行動にブレーキがかかり、先に進めなくなる――これは多くの人が経験する課題です。
しかし、動けない原因は一人ひとり異なり、それに応じた対策を取ることが行動の鍵となります。
重要なのは、自分の強みや資質に合った方法を見つけることです。やってはいけないのは、自分に合わない方法で無理に取り組むことです。例えば、完璧主義な人が「とりあえずやってみる」というアプローチを無理に取ろうとすると、かえって行動が止まってしまうことがあります。
逆に、柔軟さが強みの人に、細かく計画を立てるようなアプローチは不向きです。
このコラムでは、行動に移すための具体的な対策を、あなたの資質に合わせて紹介しました。自分の性格や特性に合った方法を取り入れることで、無理なく一歩を踏み出すことができます。
まずは、計画を小さなステップに分け、ハードルを低くする。そうして、少しずつ行動を起こしていくことで、自然と継続的なリズムが生まれます。
自分に合わない方法で取り組んで行き詰まるのではなく、あなた自身の強みを活かして、行動に移せるように工夫しましょう。資質に応じた正しいアプローチを取ることで、行動にブレーキがかかることなく、目標に向かって確実に前進できます。